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今回は、その分野の第一人者とも言える野間先生に新刊『Q&Aで語る情報モラル教育の基礎基本』について伺いました。
私はちょうど10年前にインターネットを始めたのですが、自分自身がいやな思いや怖い思いをずいぶんしてきました。そして、これからの子どもたちにこんな思いをさせてはいけないと思い、学校として情報モラル教育に取り組もうと考えたのです。
他の学校に先駆けて情報モラル教育に取り組んでいたことで、講演や講師をよく頼まれるようになりました。そこで必ず言われるのが、「どう教えたらいいのかわからない」「教材がない」の2つなのです。だったら、その2つを盛り込んだ本をつくれば、先生方の役に立つのではないかと考えたのです。
情報モラル教育が必要だと思っている先生は多いのですが、小学校では学習指導要領で扱われていないので、どうしても優先順位が低くなってしまいます。そうしているうちに時間がなくなって、やらずに終わってしまうことでしょうね。
検討会では情報教育全般について検討しているのですが、小学校でも情報モラル教育を行うべきだという意見は出ています。ただ、学習指導要領を一部改訂してまで入るのは難しいようで、次期改訂待ちになると思います。でも国も動いていまして、情報モラル教育に関する施策もいくつか始まっています。東京都も今年度情報モラル実践モデル校を小中合わせて50校指定して実践を集めようとしています。この成果が公開されれば、大きなステップアップになると期待しています。
各学校や教室では、とにかく情報モラル教育を始めてもらいたいです。時間がないと言わず、学年でひとつの題材でもかまわないので、やってみることです。
交通事故がなくならないのと同じで、インターネットに匿名性と非対面性がある限り、ワナや落とし穴がなくなることはないでしょう。むしろ新しい手口がでてくるはずです。ネットモラルは未来も変わりませんが、セキュリティに関しては、いつまでも新しい題材をつくり続けることになると思います。
15の題材で指導教材と指導略案が用意されていますので、できそうだと思ったところから、教材をダウンロードして、まずやってみてください。その際、1時間もたせようと考える必要はありません。大切なのは時間ではなく内容ですから、30分で終わってもかまわないのです。とにかくはじめの一歩を踏み出すことです。