- 著者インタビュー
- 学校経営
大切なのは、全体方針です。
年間指導計画は、「手立て」です。
「手立て」は、「方針」に沿って決まります。
そこで、学校全体の「方針」を、体育主任を中心にきちんと議論しておくことが大切になります。
実は、体育主任を受けもつ人は若い人が多く、このような「マネジメントの原則」を踏まえていない例がたくさん見られます。
本書では、「どういう原理原則」で「どのように具体的に動けばよいのか」の、「考え方」と「方法」の両方を示しています。
はじめての運動会運営でも、運動会を大成功に導く方法はあります。
その具体的方法は本書の中で紹介していますが、心得を一つあげるとすると、体育主任が運動会に一番詳しくなっていることです。
どんな仕事でもそうですが、トップに立つ者は、その仕事内容に精通していないといけません。
はじめての運動会運営では、「わからないことが、わからない」といった状態になることも珍しくないので、まずは本書で紹介したポイントをしっかりと押さえてほしいと思います。
若くして体育主任を任された場合、困るのが、仕事を振りにくいということです。
体育主任は、人に仕事をお願いすることが多々あります。
一番だめなのは、体育主任一人で仕事を抱えてしまって、夜遅くまで学校に残って仕事をする羽目になることです。
主任なのですから、先輩教師を立てつつも、仕事の方針を出し、手立てを次々と打っていかないといけません。
大切なのは、チーム意識です。学校全体にかかわる仕事が多くなりますので、チームできちんと方針や手立てを共通理解しておけるよう、繰り返し教職員とコミュニケーションをとることが必要になります。
やり方を知らずして体育主任になった人は、仕事に忙殺され、あまりの仕事の多さに辟易してしまうことでしょう。
しかも、一年後に成果を上げることもなく、ただ「忙しかった」で終わってしまうのです。
このような「労多くして益少なし」の状態にだけは陥ってはいけません。
体育主任の仕事は多岐にわたり、しかもその量は膨大です。
本書では、体育主任のすべての仕事を示し、その具体的な方法を示しています。
また、仕事を進めるうえでの考え方も示しています。
本書があれば、まわりから感謝されながら、余裕をもって過ごせるようになるはずです。
一人でも多くの教師が、「体育主任をやってよかった」と思えるようになれば、大変うれしく思います。ぜひ、若い体育主任の先生に本書を薦めてほしいと思っています。