
- 著者インタビュー
- 算数・数学
今回の改訂では、指導領域が再編されました。特に「データの活用」という領域が新設され、統計の扱いが強調されています。また、これまでの「算数的活動」が「数学的活動」に変わり、数学的な資質・能力を育成することが求められています。数学という表現が多く用いられていることから、これまで以上に数学を意識されていることがわかります。しかし、単に数学的な知識や技能を教えればよいということではありません。子どもが主体的・対話的に深い学びを実現できるようにしていくことが求められています。本書では、そのポイントについて整理してみました。
新しい学習指導要領では数学的な資質・能力の育成を目標としています。例えば知識や技能も、子どもが使える知識や技能となるようにそれらを獲得するまでの学びの過程が重視されています。つまり、子ども自身の問題意識をもとにした算数授業が求められているのです。本書では、そのような授業を実現するために教師がどのようなことを意識すべきかということを、項目を設定して整理してみました。詳しくは、本書で……。
授業は教材研究の質によって左右されます。その源は教科書ですが、若い先生方から「算数の教科書をどのように分析すればよいのかわからない」という声を聞きます。算数の授業づくりにおいて、教科書は最も大事な要素ですが、教師にとっての教科書の役割、子どもにとっての教科書の役割は異なります。本書では、特に数学的な資質・能力を育むための教科書の使い方をそれぞれの立場から示してみました。また、実際の授業を展開する場面で必要となる板書や発問、問題提示等の授業スキルも紹介しています。大事なことは、これらを自分なりにアレンジすることができる教師の資質・能力です。
ICTは算数授業を支える道具です。黒板や紙では決してできなかったようなことが実現できます。しかし、使い方を誤ると逆効果にもなる道具です。本書ではICTの特性を整理していますが、それらを活かして適切に用いることが求められます。特に、授業の目的に応じて子どもに与える情報の量、情報を与えるタイミング、使用する機器の選択がしっかりできるようになることが大事になります。子どもの気づきを引き出すために、子どもの試行錯誤を保障するために、アナログではできなかった活動を実現する道具として使いたいものです。
誰しも最初からよい授業ができるわけではありません。授業力の向上は、「うまくいかなった」という日々の授業の反省に対してどれだけ真摯に向き合ってきたかということに左右されます。特に、教師になって最初の10年が勝負です。この10年間、授業づくりということにどれだけ真剣に取り組んだかで、その後の教師生活が決まってくると言っても過言ではありません。つまり、授業者に求められる資質・能力を身につけていくことが生活の一部となるかどうかということです。でも、仮に10年を過ぎていても大丈夫。今から変わればいいだけです。本書がその支えになれば幸いです。