小中で理数・英語が大幅増―審議のまとめ(中教審)
学習指導要領改訂について審議してきた中央教育審議会の教育課程部会は30日、ゆとり教育の見直しを柱とする「審議のまとめ」(中間まとめ)を大筋で了承した。8月末の時点で小中ともに授業時間数を1割以上増やすという方向は決まっていたが、この日のまとめで教科別の時間数が明らかとなった。
小学校
小学校では週5日制は維持しつつ、週の授業時間を各学年1〜2コマ増やし、6年間の総時間数を278時間増とする一方で、総合的な学習の時間を150時間削減し、新設される外国語活動(仮称)と主要教科、体育に割り当てる。特に算数が現行の16.3%増、理科が15.7%増と理数系の充実が目立つ。また、外国語活動は5年生から導入され、年間35時間が割り当てられることとなった。
教科 | 現行 | 改訂後 | 増減 |
---|---|---|---|
国語 | 1377 | 1461 | 84 |
社会 | 345 | 365 | 20 |
算数 | 869 | 1011 | 142 |
理科 | 350 | 405 | 55 |
体育 | 540 | 597 | 57 |
総合的な学習の時間 | 430 | 280 | -150 |
外国語活動 | 0 | 70 | 70 |
総時間 | 5367 | 5645 | 278 |
中学校
中学校でも小学校同様、週の授業時間を各学年1コマ増やし、3年間の総時間数を105時間増としつつ、総合的な学習の時間を190時間に削減。また、155〜280時間あった選択教科を1年生で廃止し、2〜3年生は総合学習に吸収することで授業時間数を確保し、主要教科と体育に振り分ける。中学校でも理科が32.8%増、英語が33.3%増、数学が22.2%増と理数と英語が充実する格好となった。また、体育についても、子どもの体力低下を受けて、小中ともに授業時間が増えることとなった。
教科 | 現行 | 改訂後 | 増減 |
---|---|---|---|
国語 | 350 | 385 | 35 |
社会 | 295 | 350 | 55 |
数学 | 315 | 385 | 70 |
理科 | 290 | 385 | 95 |
外国語 | 315 | 420 | 105 |
保健体育 | 270 | 315 | 45 |
総合的な学習の時間 | 210 〜335 |
190 | -20 〜-145 |
総時間 | 2940 | 3045 | 105 |
※選択教科は1年生は廃止され、2・3年生は各上限35時間までを総合学習の時間から振り分けられる。
- 小学校の授業時間増の素案まとまる―中央教育審議会(きょういくじん会議)
http://www.meijitosho.co.jp/eduzine/news/?id=20070239 - 中学校も授業時間数1割増―中教審素案(きょういくじん会議)
http://www.meijitosho.co.jp/eduzine/news/?id=20070243 - 想定内? 「総合的な学習の時間」削減(きょういくじん会議)
http://www.meijitosho.co.jp/eduzine/kaigi/?id=20070242 - 授業時間数増で、どうなる算数教育(きょういくじん会議)
http://www.meijitosho.co.jp/eduzine/kaigi/?id=20070241 - 「ゆとり教育」について異例の反省―中央教育審議会(きょういくじん会議)
http://www.meijitosho.co.jp/eduzine/news/?id=20070358
この記事は、『きょういくじん会議』の記事を移転して掲載しているため、文中に『きょういくじん会議』への掲載を前提とした表現が含まれている場合があります。あらかじめご了承ください。
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