19日の読売新聞の記事によると、教育再生会議は20日の合同分科会で、大学進学希望者に「高卒学力テスト」(仮称)を実施し、合格者に大学受験の資格を与える制度の検討に着手するとのことだ。
このような高校生への学力テスト実施の背景には、7月に、中教審が高校での到達度検定試験実施を提案していたことでも伝えているように、昨年の高校必修科目の未履修問題や、少子化による大学全入時代をひかえて指摘されている、大学生の学力低下問題などがあり、いかに高校生の学力を向上し、最高学府である大学の質を維持するかが課題となっていることがうかがえる。
だが、「高卒」の学力を判定するとなると実施時期は高校3年生の3学期ごろになることが考えられ、「高卒学力テスト」に合格した上で、さらに大学を受験しなければならないことは、高校生にとっては新たな負担となるだろう。誰が試験を実施し、いつ合否を発表するのか、不合格者は留年するのか、文系・理系など得手不得手は考慮されるのかなど、疑問は尽きない。また、大学入試センター試験や高等学校卒業程度認定試験(旧大検)との関係、推薦入試や飛び入学制度との整合性など、実現のためには様々な調整が必要になると考えられる。
一方で、このような提案の発端であるところの学生の学力低下に対し、大学側での改善がないわけではなく、今年4月の文科省の調査から、カリキュラム改革などが広まりつつあることも見られるのだが、そうした取り組みにも関わらず、「高卒学力テスト」によって大学を受験しにくくなって、さらに受験生が減少するかもしれないことに対しては、大学関係者からの強い反発が予想されるだろう。
今、検討されようとしているこの制度がどのようなものになるのか、教育再生会議の動向に注目したい。
- 「学士力」で大学全入時代に対応? 中教審が素案示す(きょういくじん会議)
http://www.meijitosho.co.jp/eduzine/news/?id=20070258 - いまや分数だけではない!? 挨拶もできない大学生(きょういくじん会議)
http://www.meijitosho.co.jp/eduzine/kaigi/?id=20070394
税金使ってやっているのだから、もっとレベルの高い会議をしてほしいです!
ランクの低い大学が存在する以上、そんな試験は意味をなさないだろうに・・・。
教育学の専門家や現場で力のある先生方がもっと存在感を示して欲しいところです。
親は、子どもが本当に求めているものを分かってください。それは、親に抱きしめられること、愛情のある言葉がけ、いっしょに働いて何かを作り出すことです。
学校、親、地域が心を合わせて子どもを育てないと、不幸な子どもが増えるばかりです。