「生徒のため」 発覚後も続けていた未履修で関係者処分へ
20日の毎日新聞の記事によると、昨年に引き続き、今年度も必修教科を履修させていなかったことが発覚した福島県の県立高校について、渡海文部科学相が関係者の処分を県教委に求めたとのこと。
未履修問題は昨年大きな社会問題となり、文科省の調査報告によると該当学校数は全国の高等学校の12%に達していた。この問題を受けて、文部科学省は卒業認定が困難になる学生について具体的な補習内容を通知するなど、救済措置を実施していた。
今回問題が発覚した高校は県内でも有数の進学校。16日の朝日新聞の記事によると、学校長は「受験を控えた生徒のため」と証言しており、大学受験について、進学校に期待される役割を果たすことへの責任感が学習指導要領違反という行為の重大性を見えにくくしてしまったのかもしれない。
しかし、そうなると懸念されるのは同様の問題が他の学校でも行なわれているかもしれない、ということだ。今回のケースは県教委へ届いた手紙で事実が発覚したとのことで、これを発端に全国に広がる可能性は否定できない。
今回の問題における、関係者の責任が重大であることは間違いないが、未履修問題については関係者の処分だけで解決できる問題ではない。指導要領の弾力化を含めて、現在も議論されている入試制度の改革など、現実に即したより良い制度の確立が期待されている。
- 平成18年度に高等学校の最終年次に在学する必履修科目未履修の生徒の卒業認定等について(依命通知)(文部科学省)
http://www.mext.go.jp/b_menu/houdou/18/11/06110220.htm
この記事は、『きょういくじん会議』の記事を移転して掲載しているため、文中に『きょういくじん会議』への掲載を前提とした表現が含まれている場合があります。あらかじめご了承ください。
ダメなのはわかるんだけど、このニュース見ても学校を責める気にはどうしてもなれんわ。
学校の裁量を認めれば認めたで、それを逆手にとって好き放題するとこもでてくるだろうし。