和田中で塾講師が受験指導―広がる塾と学校の協力関係
9日の読売新聞の記事によると、「よのなか科」などで知られる杉並区立和田中学校(藤原和博校長)で、来年1月から「夜スペ」と題した大手進学塾SAPIXの講師を招いた夜間授業が始まるとのこと。対象は都立の進学校や私立の中上位校への受験を考えている2年生で、定員は15人〜30人。希望者には入室テストが課せられるとのことだ。
学校と塾との関係は、教育に対する考え方の違いから水と油の関係を想像してしまうが、昨年開校した千代田区立九段中等教育学校では、すでに早稲田アカデミーと提携して土曜日に英語と数学の各90分の授業を年15回実施している。また、最近では茨城県鹿嶋市の教育委員会が教育部長に塾経営者を起用したというニュースが記憶に新しい。
ベネッセの調査(PDF)によると、高校受験を控える中学3年生の通塾率は約6割に上っており、一般に広く浸透している。また、学力向上に対する社会的な要請もあり、学校現場にも塾の利点・強みを柔軟に取り入れようとする動きが広がっているようだ。
ちなみに「夜スペ」は、月謝を通常の塾に通わせる場合の半額程度に抑えるとのこと。子どもの教育費用の大きな部分を占める通塾費用を抑えることができるこの取り組みは、受験生を抱える親にとっても朗報と言えそうだ。
- 茨城・鹿嶋市 教育部長に塾経営者起用(朝日新聞)
http://www.asahi.com/edu/news/TKY200712030095.html - 夜の公立中で塾が受験講座 東京・杉並、年明けから(朝日新聞)
http://www.asahi.com/life/update/1208/TKY200712080219.html - 平成16年度「子どもの学習費調査」(文部科学省)
http://www.mext.go.jp/b_menu/toukei/001/006/05120501.htm
この記事は、『きょういくじん会議』の記事を移転して掲載しているため、文中に『きょういくじん会議』への掲載を前提とした表現が含まれている場合があります。あらかじめご了承ください。
当然、この試みは波風は立つと思います。結果はやってみないとわかりませんが、不祥事だけは出さないでほしいです。偽装だの不祥事だの改ざんだの、そろそろ聞きたくありません。
地域の人たちがとても協力的であることが印象的でした。
地域全体で子どもを育てていた一昔前の教育環境が、現代でも成立するのだと感じました。