2月29日の時事通信の記事によると、50代後半の母親が子宮をもたない娘夫婦の子どもを出産したとのこと。何らかの理由で出産ができない娘に代わり、母が代理出産するのは国内で4件目。
日本における代理出産
1983年に日本産科婦人科学会が代理出産を禁止するという会告を出して以来、日本では代理出産は自主規制されているものの、法律的な規制はなされていない。
その結果、今回のように、一部の医師が代理出産を実施するケースもあり、その度に新聞等でも大きく報道されてきた。また、プロレスラーの高田延彦さん、タレントの向井亜紀さん夫妻がアメリカ人女性に代理出産を依頼、誕生した子どもの出生届を品川区が受理しなかったことをめぐる一連の裁判などでも、代理出産が注目を集めた。
そのような状況の中で、2006年11月に厚生労働省、法務省は日本学術会議に代理出産についての審議を依頼、今年1月に代理出産は原則的に法律で禁止、営利目的の場合には依頼者、医師、仲介者に罰則を科すという報告案が提出された。
代理出産をめぐる議論
日本学術会議の審議メンバー内でも意見の統一がなされてないなど、代理出産の是非をめぐっては多様な議論がある。否定派、肯定派の代表的な意見は以下のとおり。
否定派の意見
- 遺伝的関係のない環境の胎児への影響など不確定部分多い
- 懐胎・出産の商品化につながる危険
- 戸籍上等での子どもの不利益
肯定派の意見
- 一律に禁止するほど、研究事例があるわけではない
- 営利目的を禁止すればよい
- 法整備は、これから国民的な議論をしていけばよい
そのほかにも、アメリカなどでは、代理母が生まれてきた子どもを見て、依頼者に子どもの引き渡しを拒むなどの争いも起こっており、代理母への心理的肉体的影響など、考えなければならない問題は多い。
子どもを産み、育てたいというのは人間のもつ根本的な欲求だ。そして代理出産を可能とする技術が現実に目の前にある。否定派、肯定派の意見ともに説得力はある。まさに、国民的な議論が必要なときが来ていると言えるだろう。
- 代理出産 母娘・根津医師が会見(読売新聞)
http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/nagano/news/20080229-OYT8T00708.htm - 「もっと具体的な議論を」=米で代理出産の向井さん−学術会議講演会に参加(時事通信)
http://www.jiji.com/jc/zc?k=200801/2008013101163&rel=j&g=soc - 「子の福祉最優先」「禁止に反対」=代理出産めぐり公開講演会−日本学術会議(時事通信)
http://www.jiji.com/jc/zc?k=200801/2008013101097&rel=j&g=soc
旦那が居た堪れなくて止めそうなものですが・・・。
自分の子供を生む権利があるって言ったって、他人の犠牲の上に立っているならただのエゴでは。
お母さんが、「私は良いのです。私の体をどう使うかは私が決めます」と主張すると、また難しくなってきますね。
で、戸籍上の兄弟同士で養子縁組と・・・。複雑ですね・・・。
ちなみに、代理母の卵子と父の受精卵で子どもが生まれるという代理出産もあるようですが、その場合は、日本人の世論調査ではかなり否定的な意見が多いようです。
旦那の連れ子と考えてしまえばいいのかもしれませんが、
結婚後ということになると、代理出産かどうかを問わず、
抵抗感がある人が多いのではないでしょうか。