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各地で猛暑日―熱中症は7月下旬が要注意
kyoikujin
2008/7/15 掲載

 13日は岐阜県の揖斐川町の36.4度など、全国各地で35度を超える猛暑日となった。前日の12日も野球大会の開会式に参加した高校生の男女12人が熱中症で病院に搬送されるなど、熱中症による被害が多数報道された。今年の夏も厳しい暑さが予想され、熱中症について万全の対策が必要になりそうだ。

 昨年、岐阜県多治見市が74年ぶりに国内の最高気温記録を塗り替え、40.9度を記録したのは8月16日。熱中症による被害も8月中旬頃にピークになると思われるかもしれないが、独立行政法人日本スポーツ振興センターが配布している「熱中症を予防しよう―知って防ごう熱中症―」によると、部活動や学校行事など、学校の管理下における熱中症による死亡事故は昭和50年から平成18年までの統計で7月下旬が最も多く、全体の約28%に上る。ついで8月上旬が23%となっている。

 熱中症は梅雨が明け、急に気温が上がる時期に多く発生する傾向にあるようで、ちょうどこれからの時期の部活動や校外活動においては適切な指導が求められる。

 同資料によると、暑さへの耐性には個人差があり、特に、肥満傾向の場合は危険性が高いとのこと。部活動のトレーニングは全員が同じメニューをこなすケースも多いが、個人個人の状況に配慮した指導が求められる。なお、暑い中でのトレーニングは質が低下する上、消耗も激しく、効果は上がりにくいという。また、梅雨明けなど急に暑くなった時には運動を軽くして、徐々に暑さの中でのトレーニングに慣れさせる「暑熱馴化」を意識して行なうことも重要だ。

 基本的な熱中症対策である、こまめな水分・塩分補給についても、生徒の自主的な判断だけに任せてしまうと、必ずしも十分な補充ができていない場合も推測されるという。夏休みはスポーツに打ち込む学生にとって、自身の力を飛躍的に向上させる絶好の機会。この機会を有意義なものにするためにも、監督者として適切な管理・支援に万全を期したい。

この記事は、『きょういくじん会議』の記事を移転して掲載しているため、文中に『きょういくじん会議』への掲載を前提とした表現が含まれている場合があります。あらかじめご了承ください。
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