- 大前暁政の“欲ばり”時間術
- 教師力・仕事術
時間の使い方がうまい人は、ほんの少し仕事の仕方を工夫することでむだな時間を削り、時間を生み出しています。特に一度に仕事をしてしまうという考え方は有効です。
一度に仕事を済ませる
同種の仕事は、一度にまとめて行うと、むだな時間を削ることができます。
例えば、印刷について考えます。
朝自習のための、学習プリントを印刷するとします。
このとき、プリントをその日の朝に印刷することはしません。
時間があるときに、一気に1か月分印刷しておくようにします。
しかも、時間帯も工夫します。朝は印刷が混み合ううえに、時間があまりありません。そこで、空いている時間を見つけ一度に印刷をやってしまうのです。こうすれば、準備時間や待ち時間を削ることができます。
ちなみに、家庭への配付物は、なくす子が出ることを考え、余分に印刷しておきます。
さらに、配った後で、余った分を「配付物紛失用」のボックスにしまっておきます。もし配付物をなくした子がいたら、いちいちコピーをしなくても、「ボックスに余ったプリントがありますから探しなさい」と言えば済みます。つまり、なくした子がペナルティとして、探す時間を費やすことになるのです。これをいちいち教師が対応しているから時間がなくなってしまうのです。
少し余分に用意する
起案文書には、「付け紙」を提出しなくてはなりません。
付け紙には、自分の名前や、日付、タイトルなどを書かなくてはなりません。これも名前や西暦など、書けるところは書いておき、大量にコピーをしておきます。毎回一から書かなくてもよいようにしておくのです。
学級の掲示物も同じです。私の場合、「掲示物は傷むもの」と思っているので、余分につくってきました。掲示物をつくる際に、少し余分につくるだけなので、ほとんど時間は変わりません。これを傷んでからもう一度つくるとなると、データを探したり、ものを探したりと大変なのです。
細かいことを言えば、コピー室に用紙を補充するときも同じです。ちまちまと補充することはしません。台車で一気に大量の用紙を補充して、数か月先まで補充の必要がないようにしておくのです。
子どもの忘れ物への対応も、年間にするとかなりの時間を費やしています。そこで私は、貸し出し用のボックスを毎年用意していました。このボックスには、「はさみ、のり、鉛筆、赤鉛筆、消しゴム、定規、三角定規、ボンド、ノート用紙、連絡帳の用紙」などが入っています。忘れ物をしたら、そこから借りてもよいことにしておくのです。
貸し出し用の用具も、毎年少し多めに用意しておきます。1年間購入の必要がない程度に買っておくのです。年度途中に補充する必要が出て、いちいち買いに行く時間がもったいないからです。
教師生活をふり返ると、同じようなことで日々時間を奪われていることが多々ある。むだな時間を少しでも減らすために、まとめてできることは一度にやってしまおう。