- 大前暁政の“欲ばり”時間術
- 教師力・仕事術
教師生活は多忙といえども、毎日時間に追われていたら、いい仕事はできません。時間の余裕を生み出すには、どうすればよいのでしょうか?
緊急の仕事を減らす
仕事に追われないようにするためには、様々な工夫が必要です。
教師の仕事には突発的に発生するものが数多くありますが、中には、緊急の仕事ばかりに毎日追われていている人もいることでしょう。
しかし、緊急の仕事ばかりに対応していると、疲弊してしまううえ、他の大切な仕事に時間を割くことができなくなります。
もし、子どもの怪我がよく放課後に起きているなら、怪我をしない環境をつくる必要があります。危ない遊びを禁止するとか、怪我を防ぐ補助具を遊具に取りつけるとか、環境を変えればよいわけです。
子どもが困って教師に相談してくるなら、困らないようなシステムを組むのも1つの手です。プリントをなくした子のために、予備のプリントを入れたボックスをつくっておく、忘れ物をした子のために、貸し出し用のボックスをつくっておく、といった具合です。
保護者からよく質問の電話がかかってくるなら、連絡を密にして、電話がかかってこないようにすればよいのです。例えば、学級通信で何度も連絡をするとか、繰り返し連絡帳に連絡事項を書かせるなどです。それでも質問があるなら、連絡帳での連絡を基本としてお願いします。
落ち着ける時間をつくることの大切さ
そして、極めて重要なのが、仕事量のセルフ・コントロールです。
人は、往々にして、余裕があるときの方がよいアイデアが思い浮かぶものです。
それに、日々の教育活動の反省も、余裕がないとなかなかできません。
多忙な教師生活ですが、時には教室で1人ボーッとして、景色でも眺めているような余裕がほしいものです。放課後に1人教室で、静かな気持ちでたたずんでいると、心がリフレッシュされたり、何かのアイデアに気づいたりできます。
おすすめなのが、心を落ち着ける時間を1週間に1度予約しておくことです。例えば、「金曜日の放課後は、教室で1人、静かな気持ちで、1週間のことをふり返る時間にしよう」といった具合です。
また、1日の仕事量は、 80%を目安に調整しましょう。仕事の時間に対して、仕事の量を、自分の能力でこなせる80%程度に留めておくのです。これで時間に余裕が生まれ、緊急の仕事が発生しても、次の日に仕事が残ることはありません。
しかも、精神的にも余裕が出て、意外とサクサク仕事が進むものです。気分が乗れば、今日のうちに明日の分の仕事をやっておく手もあります。このあたりは臨機応変に、まさに気分次第で決めればよいでしょう。
自分の気分次第で仕事を進めるためにも、1日の仕事量は80%を目安にしてみましょう。余裕がないと、よい仕事はできません。
仕事に追われないようにするためには、仕事量をセルフ・コントロールするしかない。その際、自分の能力で時間内にこなすことができる80%の量が1つの目安になる。