- 大前暁政の“欲ばり”時間術
- 教師力・仕事術
仕事を定常化させ、毎日必ず行うことに決めれば、自然とその業務のための時間を確保できることになります。子どもや保護者への対応にも生かしたい仕事のやり方です。
「ルーティン」化で時間を確保する
大切であるにもかかわらず後回しになってしまいがちな仕事は、日常の作業として「ルーティン」化します。すると、必ずその仕事のための時間をとることができるようになります。
例えば、連絡帳を見ることを、朝必ずやる仕事としてルーティン化します。
朝一番に保護者からの連絡を確認し、何かトラブルがあったなら、即子どもを指導します。他学年や他学級に及ぶトラブルでも、朝、他の担任と相談し、手だてを打つことができます。
このように、「大切な仕事をこの時間に行う」と決めてしまえばよいのです。
他にも、ルーティン化をおすすめすることがあります。それは、子どものよいところをメモ帳に記録することです。私は、教務手帳にあらかじめ子どもの名前が入った欄を用意していました。すると、授業中でも休み時間でも、ふとした時間に、メモすることができます。メモできなかった場合でも、放課後に必ず日誌を書いていたので、日誌に記録として残すようにしていました。この記録を基に、子どもをほめたり、学級通信で称賛したり、保護者に伝えたりできるというわけです。
様々な仕事のルーティン化
子どもへの対応には意識的に時間を使っても、ついついおろそかになってしまうのが保護者対応です。
そこで例えば、子どもががんばったことがあれば、連絡帳や短い手紙で保護者に伝えます。これを、「1日に1人は必ず伝える」と決めてしまい、ルーティン化するのです。
学級日誌も、短くてもよいので「毎日この時間に必ず書く」と決めてしまえば、書くための時間を確保することができます。
また私は、保護者への連絡事項は、1か月前から学級通信で何度も伝えることにしていました。通信に連絡欄をつくり、そこに必ず連絡事項を書くようにしていたのです。
学級懇談に向けた資料の収集・保存などは、期間限定でもよいのでルーティン化して取り組みたい仕事です。
その他にも、特別な支援を要する子の様子は、1週間に1度は引き継ぎ文書として記録した方がよいでしょう。
もちろん、子どもの様子に変化が見られたら、記録するだけではなく、すぐに保護者に連絡することも意識しておかなくてはなりません。1か月も2か月も様子をみて対応していたら遅いのです。
特別な支援を要する子にかかわらず、子どもに何らかの変化が見られたら、早め早めに保護者に連絡するのが基本中の基本です。
子ども対応、保護者対応も、大切なのについ後回しにしてしまいがちな仕事は、ルーティン化してみよう。時間を確保すれば、やらざるを得なくなる。