- 大前暁政の“欲ばり”時間術
- 教師力・仕事術
最低どの程度時間があれば、その時間を仕事にあてますか? 仕事の「最小単位時間」は人それぞれですが、時間を有効活用できる人は細切れの時間を大切にしています。
仕事の「最小単位時間」はどれぐらいか?
仕事の「最小単位時間」は、何分ぐらいと考えたらよいでしょうか。
例えば、10分の空き時間があれば、結構な仕事ができます。
会議前の10分間、放課後の陸上競技練習までの10分間、すきま時間10分間…などなど、10分間の空き時間は1日の中にたくさんあります。
私の場合、最低10分あれば仕事に取りかかるようにしています。
さらに、仕事を早めに済ませたいときは、5分の空き時間でも、仕事に取りかかります。これは、新卒時代に5分間の模擬授業づくりを何度もやったことで、5分間でかなりのことができることを体感したからです。
例えば、会議前に少し早めに部屋に入っておき、会議までの5分間で、1か月先までの予定を教務手帳に書き込む仕事ができます。
学級通信なら、5分間で最初の数行は書けますし、全体のだいたいの構想を考えることもできます。その5分間を3回合わせると、学級通信の文章がおおよそ完成します。
ただし、5分の空き時間を利用するには、仕事のためのグッズを持ち歩いていなければなりません。
例えば、教務手帳を持ち歩くだけで、成績処理や、予定を立てるなどの仕事ができます。
ちょっとした空き時間を大切に
では、ちょっとした空き時間が、1日にいったいどの程度あるのか、計算してみましょう。
8時に学校に来たとします。
朝自習の開始までに20分あります。朝自習の時間が15分。朝の会の時間は10分。休けい時間をすべて合わせると80分程度。読書タイムに15分。放課後は60分あります。
これらの時間をすべて合わせると、3時間近くになります。
これらの時間に、何の仕事をするのかを決めることも大切です。
例えば、朝自習の15分で宿題のチェックをします。
朝自習が終わると同時に、宿題のチェックが完了している状態です。
15分でチェックを終わらせるために、「開いて提出させる」「はんこだけを押していく」「忘れた人は、係が調べる」といった工夫をします。朝のうちに宿題のチェックが終われば、あとの時間はそれ以外のことに使えます。
放課後の60分というまとまった時間は、かなり貴重なものです。ここに創造的な仕事や、自分がやりたい仕事をもってくるべきです。
雑務は、すべてすきま時間にしていくのがおすすめです。
1回のすき間時間ですべて終わらなくても、すきま時間は何度もあるので、仕事はみるみる終わっていきます。放課後までに、やらなくてはならない仕事を1つでも多く終わらせておく。これが時間を有効活用するコツです。
忙しい時期の仕事の最小単位時間は5分。このわずかな時間を無為に過ごすか、それとも仕事を少しでも進めるかで、大きな違いが生まれる。